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位置情報サービスを提供している主要企業 10 選

位置情報サービスを提供している主要企業 10 選

位置情報サービスとは

新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急事態宣言が発令され、外出自粛が求められている期間に、東京など大都市で人の流れを把握してこれまでと比較したデータがニュースで報じられることが多くなりました。このように紹介されている位置情報データは、位置情報サービスを提供している企業から寄せられている場合がほとんどです。この記事では主な位置情報サービス提供企業について、その特徴と、具体的にどのようなサービスを展開しているのかについて紹介していきます。



重要度が高まる位置情報データ

企業にとってビッグデータの活用はますます重要化になっています。従来からある地理情報システム(Geographic Information System:GIS)分野で利用されてきたデータの多くは、顧客の属性情報や購買情報、国勢調査などのオープンデータが中心でした。しかし、国勢調査にしても5年に1回の頻度で更新されるなど静的なデータであり、顧客や商業地の現在をとらえるのは困難です。最近はスマートフォンのデータを中心にして、よりスピーディに「今、その場所に誰がいるか」という動的なデータを取得できるようになってきました。



位置情報の取得方法

そもそも、位置情報はどのように取得されているのでしょうか。位置情報を把握する方法は何通りかありますが、スマホによってGPSー人工衛星と連動して位置情報を特定している場合がほとんどです。人工衛星からの電波を受信することによって、スマホは自分の位置の緯度経度を取得します。

しかしこれだけでは緻密な位置情報を取得できなかったり、室内では人工衛星からの電波を受信しづらかったりするので、より正確な位置を知るために、携帯電話の基地局情報やWi-Fi、Bluetoothなどが併用されています。

スマホの通信会社が基地局を使う方法ではGPSに加えて、基地局の位置とスマホとの距離を計算してより詳細な場所を推定します。Wi-Fiを使う場合には、スマホの近くにあるWi-Fiのアクセスポイント(AP)を特定して、サーバーから得られるAPの位置情報からスマホの位置を推定します。屋内ではビーコンを利用して、Bluetoothを用いた位置情報測位も多く使われています。新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)では、このBluetoothを用いてスマホ同士が交信を行なっていますが、感染者のスマホと交信した時の位置情報は非公開になっています。これから紹介する位置情報サービス会社もこれらの手段によって位置情報を取得し、それを広告や分析サービスとして提供しています。



位置情報サービスを提供している主要企業のサービス10選

具体的に位置情報サービスを提供している主な企業とそのサービスについて見ていきます。

(1)モバイル空間統計(株式会社 NTT ドコモ、株式会社ドコモ・インサイト マーケティング)

mobaku

コロナ禍の中で、各地の人出を分析するために、報道番組などでもっとも多く目にすることがあったサービスではないでしょうか。NTTドコモの各基地局のエリア毎に存在する携帯電話を周期的に把握する仕組みを利用して、携帯電話の台数を集計し、それに対してドコモ製品の普及率を加味することで、そのエリアにいる人口を推計する手法です。一定の広範囲の人の流れを大量のサンプルで把握できることに特徴があります。

NTTドコモとインテージホールディングスの合弁で生まれた調査機関「株式会社ドコモ・インサイトマーケティング」がサービスを提供しています。



(2)Cinarra(Cinarra Systems Japan 株式会社)

cinarra

米国カリフォルニア州シリコンバレーに本拠地を構えるシナラシステムズ(Cinarra Systems Pte. Ltd.)にソフトバンクが出資して設立したCinarra Systems Japan 株式会社が提供するサービスです。「REAL AUDIENCE MARKETING SUITETM」では、位置情報とソフトバンクのキャリアデータを融合して、デジタルとリアルのプロモーションを分析するための統合マーケティングソリューションとしています。特にWi-Fiによるデータを多く取得しています。



(3)ブログウォッチャー(株式会社ブログウォッチャー)

blogwatcher

2007年にリクルートホールディングスと電通のジョイントベンチャーとして設立されたスマホ向けの位置情報データサービスです。独自開発のSDKによって取得したスマホの位置情報データを保有しており、それをベースにして広告・プッシュ通知・分析などの様々なソリューションを提供しています。



(4)39Geopla(インターメディアプランニング株式会社)

39geopla

NTTドコモの開発したジオフェンシング技術をベースにして、インターメディアプランニングが提供している位置情報プラットフォームです。NTTドコモが開発した独自のSDKをスマホのサービス企業に無償配布して、ジオフェンシングサーバへのアクセスに応じて課金するモデルです。iBeacon、Wi-Fi、GPSを網羅して様々なメッシュに適応した位置情報ログが取得できることが特徴。既存のアプリにも位置情報機能を付加できるところに特徴があり、位置情報に連動したpushサービスも提供しています。



(5)KDDI Location Analyzer(KDDI株式会社、技研商事インターナショナル株式会社)

k-locationanalyzer

KDDIと、GISツールを持つ技研商事インターナショナルが共同で提供しているサービス。性・年代や居住、勤務、来街等に関するユーザーの属性データを活用し、商圏や来訪者、時間帯別傾向など、鮮度の高いエリアマーケティングを可能にする分析を提供しています。



(6)Geologic Ad(株式会社ジオロジック)

geologic

株式会社サイバーエージェントからスピンアウトした企業。独自の技術による位置情報広告サービスを提供しています。店舗近くにいる人や、近くに居住している人のスマホに広告を配信します。スマホの位置情報データなどを解析する独自のDMP(Data Management Platform)を保有しており、訪問場所や興味、属性、ライフスタイルなどを推定して広告配信することができます。



(7)TownWiFi(GMO タウン WiFi 株式会社)

townwifi

スマホのWi-Fi接続をサポートするアプリ、フリーWi-Fi自動接続アプリ「タウンWiFi by GMO」を提供し、アプリが集めるWi-Fi接続情報を元に、見込み顧客の来店を測定し分析ツールとして「TownWiFi Analytics」や、位置情報をベースにして、顧客のスマホがお店のWi-Fiにつながると、Push通知でお店の商品をPRできる広告プラットフォーム「TownWiFi Ads」などを提供しています。



(8)AirTrack(株式会社サイバーエージェント)

airtrack

独自のAirTrack SDKを組み込んだアプリからユーザーの「位置」、「時間」、「活動」情報等を取得し、「行動」を分析して広告配信のソリューションを提供。ユーザー行動の予測機能を搭載したAI 予測エンジンAIR TRACK AIを開発し、ユーザーの来店店舗予測をはじめ、広告接触による来店率および来店購買率やGPS精度の低い場所での来店者数の推定などを行っています。



(9)ZENRIN GIS(株式会社ゼンリン)

zenrin

地図データの大手、ゼンリンが提供する位置情報・地図データサービス。住宅地図は配送・配達などに欠かせないツールですが、地図データ上に多種多様なデータをマッピングすることで、単なる位置情報としてだけでなく、マーケティングや行政サービスなどへの活用を目指しています。ゼンリンのコアコンテンツである住宅地図データに、統計情報や顧客情報、画像情報などを結び付けたGISシステムを構築・提供しています。



(10)Location AI Platform(クロスロケーションズ株式会社)

x-locations

位置情報ビッグデータをAIで解析することで様々な分析や集客が行えるマーケティング・プラットフォーム。部門や業務ごとに異なる目的、指標計測に対応するダッシュボード機能を提供。位置情報ビッグデータを有効活用できるウィジェットを組み合わせて、「人流モニタリング」「商圏分析」「競合分析」など、マーケティング戦略立案に必要な情報を提供しています。